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こんにちは!今月もナショナル ジオグラフィック最新号から気になる記事を御紹介させていただきます。
皆さんは「生体工学」と言う言葉に馴染みはありますか? 生体工学とは、科学的方法や自然界にあるシステムを応用して工学システムや最新テクノロジーの設計や研究を行う学問のことです。 医学界においては、生体工学とは、器官や他の人体部品を機械的なものに置き換え、改良することを意味します。人工臓器などの生体工学的インプラントは本来の器官の機能を模倣し、場合によってはそれをしのぐこともあります。単なる義肢とは異なるのです。 生体工学技術によるインプラントはまだ初期の段階ですが、既にいくつかの実例として、人工内耳や人工心臓、シリコン網膜などの開発が注目されています。 そして今回この記事で取り上げられている義手。 2006年に自動車事故で左腕を失くしたひとりの女性を通して、最先端のハイテク義手について検証します。 肌色のプラスチックでできた義手の内部には3個のモーターと金属フレーム、複雑な電子回路が組み込まれています。義手の付け根部分はソケットになっていて、上腕の中間あたりにある切断部を覆っている形です。 彼女の脳の意識下では、無傷な腕のイメージが幻覚のように残っていて、ひじを曲げようと考えると、この“幻の腕”が動きます。 この仕組みを利用したのがこのハイテク義手です。 脳から送られた神経信号をソケット内のセンサーが検出し、電気信号に変換してモーターを回転させると人工のひじが曲がるのです。 「普通に手を動かしている感覚です」と語る彼女は、この標準モデルの義手と、もっと正確に動かせる試作モデルの両方を使っているそうです。 彼女は続けてこう語ります。 「事故の後は大きな喪失感に襲われました。どうして神様はこんなひどい目に遭わせるのか、理解できませんでした。でも最近は、いつも元気いっぱいです。いつかこの“腕”でものの手触りを感じ、子どもたちの歌に合わせて手拍子できる日がくるでしょう」 体の一部が損傷したり、失われたりしても、その部位を制御する神経と脳の機能は生き続けます。 超小型の電極と外科手術の驚異的な進歩によって、脳や神経と、カメラやマイク、モーターなどの電子装置をつなげられるようになりました。 その結果、視覚障害者が視力を、聴覚障害者が聴力を回復させることも夢ではなくなったのです。 今後、ナノテクノロジーの進歩によってさらなる発展が見込まれています。 腕や目の形だけでなく、動きや感覚までも模倣する「生体工学」。 空想の世界にしかなかった技術が、現実のものとなりつつあることに興奮を覚えるのではないでしょうか。 NATIONAL GEOGRAPHIC(US) 10JAN 880円(税込み924円) |
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