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【NGEO ピックアップ!#14】夢見る街‐上海
こんにちは!今月もナショナル ジオグラフィック最新号から気になる記事を御紹介させていただきます。

たくさんの日本人の方も訪れる人気の都市のひとつ、中国・上海。

中国一高いタワーや101階建てファイナンシャルセンター、テレビ塔がダウンタウンにそびえたつ風景。

高層ビルが建ち並び、急速に近代化が進むきらびやかな街。

中でも注目すべきなのは、上海にあるまるで別世界の秘密の空間。 それは古い防空壕です。

陽光が降りそそぐ頭上の通りでは、出稼ぎ労働者たちが昼食をほおばり、パリっとした白シャツを着たビジネスマンの集団が通り過ぎていきます。

そんななか、仲間から“サミー”と呼ばれている22歳の女性が奥まった暗い階段を下りていきます。
この女性は、その場所について、「0093」という名前しか知りません。

サミーは、爆風を防ぐために設置された厚い金属製のドアを通って、薄暗い廊下の奥に向かいます。

ここは今も、上海(シャンハイ)の暗い時代の面影を残しています。

東と西の文化が混ざり合う「東洋のパリ」と呼ばれたかつての上海。

戦争や共産主義革命によってその黄金時代は終止符を打たれました。ここにはそんな時代の息が詰まるような、閉塞(へいそく)した雰囲気が漂います。

そこでサミーはパンクロックバンドの仲間と楽器をかき鳴らし頭を激しく上下させて歌っています。

「私たちは生まれたばかりの鳥。だけど大きな夢があるの。」

「全世界に私たちの歌を聴かせたい!」

 
傷つき、萎縮した社会の象徴だった防空壕は、今では上海の音楽シーンの発信地になっているのです。

何と0093の練習用スタジオから巣立った地元のバンドは100組以上。

かつての黄金時代と同様、東洋と西洋の要素が混ざり合った上海文化が再び盛り上がりを見せています。

そんな上海の現在の真実の姿を見る事ができる記事を是非お楽しみください。
NATIONAL GEOGRAPHIC(US) 10MAR 880円(税込み924円)
ケリー縫子  (2010/03/11)