カテリーナ・デ・メディチ刺繍に興味を覚え、購入してみました。
素晴らしい内容です。
最初に歴史的な解説や材料・道具・技法についての説明が合わせて23ページ(全部イタリア語です)。残りが作品写真と図案です。作品番号は33番まで振られていますが、ひとつの番号に複数デザインがまとめられている箇所もあるので、デザイン総数はもう少し多めです。
表紙写真のようなモダンな幾何学模様と、中近世っぽい動物モチーフなどのデザインが混在しています。サイズは小物向けの小さなモチーフから大作まで。サンプラー的なデザインもあります。
各作品に添えられた説明は「○○色のリネンに××の糸で刺しました」程度のざっくりした内容のみで、作品のサイズ、仕立て方等の情報は掲載されていません。自分で好きな材料を使って好きにアレンジしてねということなのでしょう。
具体的にどのような材料を使っているのかという点も知りたかったので、辞書を片手に説明ページを解読しました。この本では6~11目/1cmの薄手リネンキャンバス布と、綿・絹・ウールの糸が使われているとのこと。
更に、材料のキーワードと思われる単語を拾い出してあれこれネット検索してみました。現地イタリアでは、buratto(ブラット)という6目/1cmのリネンキャンバス布にcotone povero(コトーネ・ポーヴェロ)という太い綿糸で刺すのが標準のようです。どちらも日本には入ってきていなさそうなので、代用品を探すしかなさそうです。
技法的にはブラックワークと同じホルベインステッチですし、以上に挙げた情報を踏まえれば、イタリア語が読めない方でもあまり悩まずチャレンジできるのではないかと思います。オススメです。